院長 伊谷 善仁(ITANI YOSHIHITO)
略歴
- 2006年3月近畿大学医学部 卒業
- 2008年4月近畿大学医学部 形成外科
- 2016年7月札幌医科大学 形成外科
- 2017年4月近畿大学医学部 形成外科
- 2018年1月近畿大学医学部 皮膚科兼務
- 2020年4月近畿大学病院 スキンサージェリーセンター 副センター長
- 2024年3月伊谷形成外科・皮フ科クリニック 開院
堺市西区の伊谷形成外科・皮フ科クリニックでは、巻き爪の治療を保険診療で行っています。
巻き爪とは、足の爪が横方向に巻いて皮膚に食い込んでいる状態です。主に足の親指に発生しますが、他の指にも起こることがあります。軽度のうちは違和感程度ですが、進行すると爪が皮膚に深く食い込んで強い痛みや炎症を引き起こして、歩行に支障が出ることもあります。
巻き爪は放置しているうちに少しずつ悪化していくことが多い疾患です。痛みをかばって歩き方が変わると、膝や腰にまで負担がかかることもありますので、気になる症状がある方は早めにご相談ください。
巻き爪の原因は様々ですが、代表的なものとして以下が挙げられます。
深爪は巻き爪の大きな原因の一つです。爪を短く切りすぎると、周囲の皮膚が盛り上がり、伸びてきた爪がまっすぐ進めずに皮膚に食い込むようになります。爪の両端をさらに短く切ることで一時的に楽になっても、根本的な解決にはならず、かえって症状を悪化させることがあります。
つま先の幅が狭い靴やヒールの高い靴を長時間履いていると、爪に横からの圧力が加わり続けて巻き爪の原因になります。逆に大きすぎる靴も、足が靴の中で動くことで指先への負荷が生じます。
足の指に体重がかからない歩き方をしていると、爪が本来持っている「巻こうとする力」に対して、地面からの反力で平らに保つ力が不足して、爪がどんどん巻いていきます。長期間の入院や、足指を使わない歩き方の癖がある方に見られることがあります。
巻き爪と陥入爪(かんにゅうそう)は併発することが多い疾患です。巻き爪は爪の形が変形して湾曲した状態で、陥入爪は爪の端が皮膚に食い込んで炎症や痛みを起こしている状態です。巻き爪が進行すると陥入爪を引き起こすことがあり、さらに悪化すると細菌感染を起こしてひょう疽(ひょうそ)と呼ばれる化膿性の炎症に発展するケースもあります。
当院では巻き爪の治療としてフェノール法を行っています。フェノール法は、爪の食い込んでいる部分のみを切除した後に、爪を作り出す「爪母(そうぼ)」という組織にフェノールを塗布して、その部分からの爪の再生を止める方法です。
食い込みの原因となっている部分だけを処理するため、爪全体を抜く必要がなく、見た目の変化も最小限に抑えられます。局所麻酔で行うため処置中の痛みは少なく、再発率が低いことが大きな特長です。保険診療で受けていただけます。
step 01
爪の状態や炎症の程度を確認して、フェノール法が適しているかどうかを判断します。
step 02
局所麻酔を行った上で、食い込んでいる爪の端を切除します。その後、爪母にフェノールを塗布して中和し、創部をガーゼで保護します。処置時間は通常15~30分程度です。
step 03
処置後5~7日を目安に初回の経過確認を行います。その後は症状の回復に合わせて通院間隔を調整します。
処置後は創部を清潔に保つことが重要です。ガーゼが濡れた場合は交換して、指示に従って消毒を行ってください。痛みがある場合は鎮痛剤を処方いたします。処置後数日間は激しい運動を避けて、足に負担のかかりにくい靴を選ぶようにしてください。
フェノール法は安全性の高い治療方法ですが、以下のリスクがあります。
処置後数日間は軽度の痛みや違和感が続くことがあります。
軽い出血がしばらく続くことがありますが、通常は数日で落ち着きます。
術後のケアが十分でない場合に、創部に細菌感染を起こすことがあります。
フェノール法は再発率の低い治療方法ですが、ごく稀に爪母が部分的に残って爪が再生することがあります。
巻き爪は命に関わる病気ではありませんが、痛みによってQOL(生活の質)が大きく損なわれることがあります。「このくらいなら大丈夫」と放置しているうちに症状が進んでしまうケースも少なくありません。痛みや違和感がありましたら、早めに受診されることをおすすめします。