院長 伊谷 善仁(ITANI YOSHIHITO)
略歴
- 2006年3月近畿大学医学部 卒業
- 2008年4月近畿大学医学部 形成外科
- 2016年7月札幌医科大学 形成外科
- 2017年4月近畿大学医学部 形成外科
- 2018年1月近畿大学医学部 皮膚科兼務
- 2020年4月近畿大学病院 スキンサージェリーセンター 副センター長
- 2024年3月伊谷形成外科・皮フ科クリニック 開院
堺市西区の伊谷形成外科・皮フ科クリニックでは、腋臭症(わきが)の治療を保険診療で行っています。
腋臭症とは、脇の下にあるアポクリン汗腺から分泌される汗が皮膚表面の細菌によって分解されることで、特有の強いにおいが発生する状態です。体質的にアポクリン汗腺の数が多い方や、分泌量が多い方に見られます。遺伝的な要因が大きく、ご家族に同じ症状をお持ちの方がいる場合には発症の可能性が高まります。
においの悩みはご本人にとって大きな精神的負担となりますが、相談しづらい症状でもあります。当院には親子でご相談にいらっしゃるケースもあり、ご自身が過去に手術を受けて効果を実感されたお母様が、お子様にも同じ治療を受けさせたいとお越しになることもあります。
脇の下には「アポクリン汗腺」と「エクリン汗腺」という2種類の汗腺があります。腋臭症の原因となるのはアポクリン汗腺です。
アポクリン汗腺から出る汗にはタンパク質や脂質などが含まれており、これが皮膚にいる常在菌によって分解される際に、特有のにおいが生じます。アポクリン汗腺の数や分泌量は遺伝的な要素が強く、思春期以降に症状が目立つようになることが一般的です。
腋臭症と多汗症は混同されやすいですが、原因となる汗腺が異なります。
腋臭症はアポクリン汗腺が原因で「におい」が主な症状です。一方、多汗症はエクリン汗腺からの汗の分泌が過剰になる状態で、「汗の量」が問題となります。エクリン汗腺から出る汗は無色でさらさらしており、それ自体が強いにおいを発することはほとんどありません。
当院では腋臭症に対する手術療法のほか、多汗症に対する薬物療法や外用療法にも対応しています。
当院では保険適用の皮弁法によるわきが手術を行っています。脇の中央にあるしわに沿って切開を加えて皮膚を裏返して、アポクリン汗腺を目で確認しながら一つひとつ除去していく方法です。
アポクリン汗腺を直接目視しながら処置するため、確実な除去が期待できます。手術は局所麻酔で行い、両側で約2時間が目安です。日帰りで受けていただけます。
手術に加えて、汗の分泌を抑える内服薬を併用することで、さらなる効果が期待できます。症状やライフスタイルに合わせてご提案いたします。
皮弁法による手術では、においが手術前と比べて約10分の1程度に軽減されるとされています。汗の量についても約3分の1程度への減少が見込まれます。
ただし、においや汗を完全にゼロにすることは難しく、個人差もあります。カウンセリングの際に、期待できる効果についてお伝えしています。
step 01
診察で症状の程度を確認して、手術の内容や術後のケアについてご説明します。
step 02
血液検査を行い、手術に問題がないことを確認した上で手術日を決定します。
step 03
脇のしわに沿って切開を加えて、アポクリン汗腺を除去します。術後は血液が溜まらないようにドレーン(排液管)を挿入して縫合します。手術時間は両側で約2時間です。
step 04
手術直後から約3日間は、タイオーバー(ガーゼによる圧迫固定)で創部を保護します。脇の下は構造的に血液が溜まりやすい部位のため、しっかりと圧迫固定を行うことが術後の経過を良好に保つポイントです。
手術の傷跡は、女性で約4cm、男性で約5cm程度の線状になります。脇の自然なしわに沿って切開を行うため、腕を下ろした状態では目立ちにくくなります。時間の経過とともに傷跡は徐々に薄くなっていきます。
術後に脇の下に血液が溜まる(血腫)ことがあります。ドレーンの挿入とタイオーバーによる圧迫で予防に努めています。
術後に創部の感染が生じる可能性があります。創部を清潔に保つことと、処方された薬剤を指示通りに使用していただくことが大切です。
手術で可能な限りアポクリン汗腺を除去しますが、わずかに残る汗腺から再発する可能性があります。再発した場合でも、においは手術前と比べて大幅に軽減された状態であることがほとんどです。
腋臭症は保険診療で治療を受けることができます。においのお悩みはお一人で抱え込みやすい症状ですが、手術によって改善されている方が多くおられます。まずはお気軽にご相談ください。