皮膚の病気が原因のかゆみ
皮膚の病気には、炎症性のものや節足動物などによるものなどがあります。
- 炎症性のもの:赤みのある皮疹が生じることが多く、場合によっては痛みを伴います。
- 節足動物などによるもの:皮膚に付着した昆虫などもかゆみの原因となり、シラミでは頭毛や体の皮膚、陰毛などに付着してかゆみを引き起こします。
かゆみ
かゆみは、「引っ掻きたくなるような不快な感覚」と定義されますが、実は、かゆみは体(カラダ)を守る防衛反応のひとつです。
皮膚に異物が付いた際に、かゆみを感じることによって、異常が起きている場所を私たちに知らせ、その異物を掻いて取り除こうとする行動を起こすことから、かゆみは一種の生体防御反応であると考えられています。
かゆみの原因は皮膚の病気や体の病気、精神的な病気などさまざまで、部分的に起こる場合もあれば全身に起こる場合もあります。
かゆみが強いと掻きむしってしまうことが多く、掻くと一時的にかゆみは治まりますが、皮膚の状態が悪化し、かゆみが強くなってしまうこともあります。
病気が原因になっていることも多いことから、原因の特定はもちろんのこと、皮膚状態の悪化を防ぐためにも早めの受診、治療が勧められます。
かゆみは全身どこでも起こりますが、最もかゆみが起きやすい部位は、「くりかえし刺激を受ける場所」です。
汗をかきやすく、衣服のこすれが起きやすい「首筋」、水や洗剤に触れることの多い「手指」、衣服による圧迫やムレが生じやすい「おなか周り」などです。
年齢とともに皮脂の分泌が低下するため、皮膚が乾燥しやすく、肌トラブルを起こしやすいので注意しましょう。最初膝の下から始まり、年齢とともに徐々に上方の皮膚にも拡大していきます。特に冬場にかゆくなります。夏場は、肌を露出する機会も多く、刺激にさらされることも増え、また紫外線も強いため、「顔・首筋・腕・脚」の皮膚がダメージを受けやすく、肌トラブルも増えます。
かゆみは皮膚や体の異常を知らせるサインであるとともに、体を守る一種の生体防衛反応であると考えられています。
乾燥や日焼けなどによるかゆみのほか、病気によるものも多く、大きく分けると以下のようになります。
皮膚の病気には、炎症性のものや節足動物などによるものなどがあります。
肝障害や腎障害、糖尿病、がんなどの体の病気もかゆみの原因になりえます。
体の病気が原因のかゆみは広範囲に起こりやすく、多くは全身にかゆみを起こします。この場合、皮疹は伴う場合と伴わない場合があります。
かゆみが起こる精神的な病気として、うつ病や寄生虫妄想などがあります。精神的な病気によるかゆみには、セロトニンやノルアドレナリンが関与していると考えられ、主としてヒスタミンが関与する他の病気とはかゆみのメカニズムが大きく異なります。
内服薬や外用薬など、さまざまな薬の副作用としてかゆみが生じることも多くあります。食物アレルギーも原因に挙げられ、皮膚症状としてはかゆみ以外に発赤(皮膚が赤くなる)や、湿疹などが伴うことが多いといわれています。
皮膚の病気、体の病気、精神的な病気、薬の副作用・アレルギーなど、かゆみの原因によって異なりますが、一般的に行われることの多い治療には以下のようなものがあります。
炎症性の皮膚の病気に対しては、下記のような薬剤を用いた治療が中心となります。
また、皮膚の保湿機能を保つために保湿剤を併用することも多くあります。
節足動物などにより生じたかゆみの場合で、シラミが原因のときはパウダーやシャンプーなどを使用して治療を行うのが一般的です。
体の病気においては、まずその病気の治療が基本です。併せて食事療法などの日常生活上の取り組みも重要になることが多くあります。そのうえで前述のかゆみの治療(抗ヒスタミン薬、ステロイド外用薬)を行います。
精神的な病気に対しては、主に抗精神病薬を用いた治療が行われます。精神的な病気はストレスが原因になっていることが多いために、十分な休息や家庭環境の改善、カウンセリングなど、薬物療法以外の取り組みも重要になってきます。
かゆみの原因となる薬、食品の摂取を中止することが治療の基本です。症状が出ているときには、抗ヒスタミン薬の内服やステロイドの内服・外用など、薬による治療が行われます。重症度が高い場合などでは点滴や注射による治療が選択される場合もあります。
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